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紙の月 劇場映画版とドラマ版比較

こちらネタバレしております。




原作 角田光代「紙の月」

劇場版キャスト
宮沢りえ
池松壮亮
田辺誠一


ドラマ版キャスト(NHK
原田知世
満島真之介
光石研
2014年1月7日(火)~2月4日(火)放送(連続5回)
[総合]毎週火曜午後10時~10時48分

以下比較と雑感。

わかば銀行につとめる主人公アラフォー梨花さんが年下の男の子(大学生!)と不倫、道ならぬ恋を続けていくうちに学費の援助、アホほど豪華なデート、2人の週末用愛の巣マンション賃貸…などなど金銭感覚がガンガン麻痺していき、銀行顧客の預金を横領、その額は一億円に…!!
やっべえどーする梨花!というお話。

年下の男の子といけない関係になっちゃう糸口が、夫との不仲、というか理解の不足なんだけど、映画ではここの描写がちょっと足りないなあーと思いました。まず田辺誠一をキャスティングしてるところでちょっと違う。かっこいいもん。年を感じさせないシュッとした人に少々の嫌味を言わせても画面のこっち側には伝わってこない…
対してテレビ版では光石研扮する夫がそれはそれは嫌な役で、同じようなセリフでも、うわーあー何この嫌な旦那!!!!という印象づけに大成功してる。時計のシーンは本当に胸糞が悪い!!笑


なので後者では若い男の子に走る動機がばっちりなんですが前者はちょっと弱い。若い子役の池松壮亮はちょっとストーカーっぽい近づき方だし…
テレビ版の満島真之介はセリフの抑揚がなさすぎて本当の大学生みたいでした笑
2人とも中身のない感じはよく出ていたと思います。

梨花は献身することで自分を保つ、その対象以外のものの感情や状況は目に入らなくなってしまう、その対象である大学生なのでこの話の中では彼の人格とか性質とかはあんまり重視されてないように思います。もともとクズめの素質をもっていて本格的にクズになっていく感じ。


光石研は最後改心して梨花を理解し、受け入れる姿勢をみせていてバッドエンドの中にもすごく救われるものがあるんだけど田辺誠一の出番は私の記憶が正しければ北京での写真を見せびらかしてるところ以降ないような…あ、終盤にセリフなしで車から出てくる重役?を出迎えるシーンがあったかな?
映画版では梨花の事件が発覚してからの彼の心情をみることができないのでここは何か不完全燃焼。

主役に関しては宮沢りえが細すぎるのとほうれい線がばちばちなのが気になった。大学生に一目惚れされるほど魅力的なおばさん、という面では圧倒的に原田知世に軍配だなあ。このへんは個人の好きずきですね。
あと個人的にはエロシーンはいらないんだよなあ。映画はたびたびあってちょっと困った。

映画版では銀行の行員として小林聡美大島優子が配置されてますがこの2人が良かった。小林聡美はいうまでもない大女優ですが大島優子も良かった。当て役というか、こなしやすい役だったのかも。小林聡美宮沢りえを食ってたんじゃないかな〜。いや〜すごい存在感。

総合的にはテレビ版の方が好きです。お金に対する価値観がどんどん変わっていって壊れていく様子が怖かった。それから横領のシーンのハラハラさ、裏腹なきらびやかでバブリーな欲まみれデート…
まあ放映時間が全然違うからしょうがないんだろうけどね。

原作読んでないので読みたいです。角田光代は好きなので!壊れていく女の人と家族を書かせたら右に出るものはいないと思う。